Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

Lisez 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 68 020 caractères · 131 écrans

Aozora Bunko

「おい、どうしたんや?―――」

だが、やっとのことで一と休みした彼は、何気なく女房の方へ杯をさし出すと、途端に心配そうな上眼使いをした。どうした訳か今しがたまで機嫌の好かった女房が、酌をしようともしないで、両手を懐に入れてしまって、真正面からぐっと此方を視詰めている。

「そのお酒、もうないのんか?」

出した杯を引っ込めて、オッカナビックリ眼の中を覗き込んだが、相手はたじろぐ様子もなく、

「ちょっと話があるねん。」

と、そう云ったきり、口惜しそうに黙りこくった。

「なんや? え、どんな話?―――」

「あんた、その猫品子さんに譲ったげなさい。」

「何でやねん?」

藪から棒に、そんな乱暴な話があるものかと、つづけざまに眼をパチクリさせたが、女房の方も負けず劣らず険悪な表情をしているので、いよいよ分らなくなってしまった。

「何で又急に、………」

「何ででも譲ったげなさい、明日塚本さん呼んで、早よ渡してしまいなさい。」

「いったい、それ、どう云うこッちゃねん?」

「あんた、否やのん?」

「ま、まあ待ち! 訳も云わんとそう云うたかて無理やないか。何ぞお前、気に触ったことあるのんか。」

リリーに対する焼餅?―――と、一応思いついてみたが、それも腑に落ちないと云うのは、もともと自分も猫が好きだった筈なのである。