Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lisez 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 215 557 caractères · 426 écrans
三年前。結婚のときも、一寸相談をうけ、お父さんはあらゆる条件をととのえ、理想的な結婚をさせ、北京に出張していました。技師だったの。そしたらこの六月、東京へ帰任する決定で、最後の出張をして小さい村にある事務所にとまったら、その夜襲われて奮闘の後命をおとされました。兄さんとお父さんとが北京へ行って、「家財をとりまとめ」東京へ帰って来て、若い未亡人はお里と嫁家と半々に暮すことになりました。一男あり、三歳です。
私はこの人たちのつみのない幸福が、こうして破られたことにつき、又、娘の幸福を、万全つくして守ろうと努力して、より大きい力にその計画を挫かれた父親の心を深く同情して、通知を貰ったとき手紙をかき、お盆には娘さんにシートンの『動物記』をあげました。本当は、シューマンの詩人の恋というリード集のレコードがあってね、その歌曲を聴いていると、シューマンという人を通して、生粋の男の真の優しさ、情愛、愛着が身に沁みとおって感じられ、暖い暖い勇気を覚えます。その歌曲のメロディーに合わせて胸の底から鳴り出して来る女の真情が自覚されて来て、それは全く男の中の真実に相答えるものです。