Classiques japonais avec furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans
梅ともつかず杏ともつかず、手の込んでいる花の割には寂しい感じのする梅です。これにやゝ後れて咲くのが豊後梅に並んでいる若い野梅です。これは普通のしら梅なのであっさりして匂いが高くあります。これ等の梅の咲く遅速は、こゝでは樹の種類のせいではなく、単に陽当りの関係かららしくあります。
豊後梅と野梅とは、ちょっと見ると並んでいるようですが、実は主副の関係にあります。主なる豊後梅は老い朽ちて花数も少くなり、茶室からの早春の空の眺めも透け勝ちなので、若く威勢のよい野梅を持って来て副に植え添えたものだそうです。その植え添え方は、豊後梅の幹の洞の中へもって来て野梅を据え、遠くの客座敷の方からは、それが一本の木の花にも見えるよう設えたと言います。
私はそれを眺めながら、
「ずいぶん誤間化しのような植え方ね」
と言いますと、寮のあるじの池上は、
「僕が植えさせたのじゃない。店の番頭の嘉六なるものゝ差配だ」と言いました。
襷をかけて姉さま冠りをして朝の火鉢の灰をふるっていた小間使いのおきみは、父親のことを言われたので少し赭くなっていました。
わたくしは正月にこの浜町の寮へ池上を訪ねて、その日はそのまゝ帰りましたが、胸に一物あるわたくしは、それから三日にあげず、わたくしの方から寮を訪ねるようにしまして、間もなく池上から勧めるように