Classiques japonais avec furigana
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しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans
古葉の色つやの照りの間に、海棠のようなあどけなくも艶に媚びた花の色をちら/\と覗かせて、行人から快い倦怠を誘い出し、また、軽い息抜きの気分を撥ねかけようとしております。公園の横の金網の目から、春のシーズンの名残りらしく野球の球が白く往き来しているのが透けて見えます。公園事務所の扉には、もう初夏の夜間開場をする予告の貼札も見えます。
前方には、晴れたまゝ暮れて行く深川区の空の下に大川がだぶん/\と水量豊かに流れているのを望みながら、日本橋倶楽部の楽屋に沿って歩いて行くと、公演の支度と見え、下座の三味線らしい音が聞えます。じき浜町河岸へ出ましたので、わたくしはそこの河岸ぎわに佇んで、ちょっと景色を眺め渡しました。向うは、安宅町河岸の倉庫、そして右手には悠揚と新大橋も架っていれば、左側には、両国橋を越して蔵前橋の橋梁のカーヴも見えます。小名木川口の上に聳える国技館の大きな丸屋根。河心の一銭蒸汽は、曳舟蒸汽を追い越して、河岸の石垣に、あと浪を寄せつけて行きます。幼馴染の景色は何一つ変ってません。何一つ変っていません。
「うれしいわ」とわたくしが、つい言いますと、葛岡は、何か自分に言ったのかと「え」