Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しょうじょうるてん

生々流転

岡本 かの子

Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans

Aozora Bunko

「蝶子さんが先に――」

「どうして、私が山にいると知ったの。うちへ寄って訊いた」

「えゝ、おうちへ行ってみたところが、先生は赤城だと伺ったので――」

先生は炉の鉄火箸を執り上げ、薪の焔をその尖で二三度、弄い返していましたが、

「うちでは誰に会いましたの、みんなに」

「いえ、皆さんはお留守で、弟さんとかいう方にお目にかゝりました」

先生はこれを聞いて、つい、

「弟※(感嘆符疑問符、1-8-78)」

と言い返したのでしたが、それから急に伏目になり、今まで見たこともない、もじ/\とした女らしい所作を私たちに示しました。やがて自分で自分の羞恥感に堪え通したような、ほっとした顔を上げまして、今度は私の方を見ました。

「じゃ、もう、私のことも、私の実家のことも、蝶子さんは一通り聴きましたのね。どうせあの弟はお喋りだから」

わたくしは逃れようもなく、「えゝ」と素直に答えました。

先生は火箸を投げ出して、膝に額を置いてしばらくその儘でいました。わたくしは先生が考え込んでいるというより泣き沈んだのではあるまいかと思うくらいその伏し方は打ち投げたさまなのに心配して試しに先生の簡単に束ねた髪の毛を見ました。