Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans
紳士親娘の様子を考えると、船の持ち逃げでもあるまい。まさか親子心中ではなかろう。潮はすっかり満ち飽きて、たぶり/\淵岸に泡を浮かしています。きょう働いて貸賃を取った三艘の田舟はお秀の母親の手で綺麗に洗われ、涼しそうに横わっています。あとの四艘は杭に繋がれたまゝ乾き切って熱苦しそうです。町から聞えて来るラヂオは九時三十分のニュースが入っています。お秀は待ちあぐねて兎も角、船を貸すときに客につけさしてある身元帳でも調べてみようと気付いたらしく消えたアセチレンの鑵筒を抱え、ちょっと橋の方を見て家へ入ってしまいました。
わたくしは、多那川橋の下の近くへ戻り、そっと文吉はどうしているかと様子を覗きます。文吉は橋の下の闇の中に豆シンのランプを点して魚の肉を焼きながら焼酎の盃をまだ嘗めていました。酒は好きではないのですが、大人のすることを真似たく思って五勺ほどずつ町の酒屋から廉く売って貰うのでした。右手の指で網の上の魚の肉を裏返したり食べたりしながら、不味そうに左の手の紅ぶちの硝子の盃を含みます。それから仰向いたり俯向いたりしながら呟きます。
「ともかく」
「で」