Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょうじょうるてん
生々流転
岡本 かの子
Lisez 生々流転 (しょうじょうるてん) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 297 521 caractères · 586 écrans
文吉は声をかけられても知らん顔をして奥へ通って行きます。井戸端に桐の木があるその根元へ彼はわたくしを蹲ませて置いてから奥座敷の縁へつか/\進んで行きました。庭に向いたこの奥座敷には老隠居の忠一が寝ています。ずんぐりむっくりした身体で赭ちゃけた色をして、首から上が麻布団の上に向うむきに見えます。
文吉は「やあ、こゝでも寝ていら」と言って、同じ身体の動けない老人が道を距てゝ両家の奥座敷に臥せっている不思議さに対する白痴相応の感想を洩しました。
こっちを向きざま周章てた形で起上ろうとして老人は「お、いたたたた」と言って、また身体を元に下ろしました。充血した出眼を神経質にくり/\さして、
「文公か、なにしに来た」と言いました。
文吉は「おまえの臥てるの見に来たんだよ」とあどけなく言います。
「ばか、人が臥てるのを見になんぞ来るもんじゃない」
と忠一は叱りましたが、それよりも文吉だけによって聞かれる本家の消息を期待する気持の方が勝ったのでしょう。彼は文吉を縁の側へ呼び寄せて、家の者には聞えぬような小声で、
「本家のじいさん、どうしてる」と訊くのでした。文吉は自分に粘土打ちの真似をさせたことなぞ覚束なく話しました。