Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lisez 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 598 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

こう云いながら宮川茅野雄は、刀の鍔際をしっかりと抑えて、五寸あまりも鞘ぐるみ抜いて、右手で柄もとを握りしめて、身を斜めにして右足を出して、いつでも抜き打ちの出来るように、居合腰をして首を延ばしたが、じっと前の方を隙かして見た。

漲っている蒼白い月の光を浴びて、宮川茅野雄から五間あまりの彼方に、肥えた長身の三十五六歳の武士が、抜き身をダラリと引っ下げた姿で、こっちを見ながら立っていたが、髪は大束の総髪であった。

と、その武士は落ち着き払った態度で、ゆるゆると茅野雄へ近寄って来たが、

「宮川茅野雄殿と仰せられるか、はじめてお名前を承わってござる。拙者は醍醐弦四郎と申して、身の上の儀はまずまず浪人、ただしいくらかは違いますがな。……いかにも貴殿の仰せられる通りに、拙者、貴殿に怨みはござらぬ。と云え貴殿の仰せられるように、人違いで切ってかかったのでもござらぬ。思うところあって切り付けたのでござる。と云うのは貴殿の運命と、――巫女から買い取られた運命と、拙者の運命とが似ているからでござる」

こう云うとクックッと含み笑いをしたが、

「実は拙者も同じ巫女から、運命を買ったのでございますよ」