Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

せいしまんじどもえ

生死卍巴

国枝 史郎

Lisez 生死卍巴 (せいしまんじどもえ) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 91 598 caractères · 182 écrans

Aozora Bunko

にも話しぶりにも、穏かな沈着いたところがあった。

せむしの老人が体を延ばして、石楠花の花を折ろうとしたが、どうにも身長が届かなかったので、人々はドッと声を上げて笑った。とは云え笑ったそういう声にも、軽蔑らしい響きなどはなかった。

笑い声が高く大きかったからか、小鳥の群が棹をなして、日光の明るいそこの空間を、斜めに矢のように翔けて通った。

「幸福そうでございますな」

ふと茅野雄は浪江へ云った。

「幸福なのでございますよ」

こう浪江は答えはしたが、苦しそうなところが声にあった。

「偽瞞であろうとカラクリであろうと、それが信じられているうちは、幸福なのでございますよ。あの可哀そうな業病人達は」

(偽瞞? カラクリ? 何のことだろう?)

茅野雄には浪江の云った言葉が、審しいものに思われた。

(これもやっぱり洞窟の中の、内陣に置いてある何らかの物と、関係のある言葉に相違ない)

で、茅野雄は押し強く訊いた。

「浪江殿、お話しくださるまいか。内陣には何がありますので?」

「…………」

浪江は返辞はしなかったが、云いたいと努力しているようであった。

二人は宛なしに足を運んだ。