Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たはらしのはんざい

田原氏の犯罪

豊島 与志雄

Lisez 田原氏の犯罪 (たはらしのはんざい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 27 957 caractères · 57 écrans

Aozora Bunko

彼の眼はいつも若々しく輝いていた。頬には紅い血が流れていた。凡てにぶつかってゆく力が彼のうちに充ちていた。

田原さんは重夫の方へちらと一瞥を与えて、それから静かに答えた。

「判断は理解の後に来るものだ。然しそんな抽象的な議論はお前達のような若い者に譲るとしよう。だがお前にはまだ人間というものがはっきり分ってはいない。……何だったかね、そうそう徳蔵のことだ。妻を失ったことが徳蔵にどんな打撃を与えたか、お前には分るまい。お前も知ってる通り、徳蔵はこの家から出て後ずっと砲兵工廠に働いていた。彼の妻は家の中で内職をしていた。そして貧しい中に良助とみよ子とを育てていたんだ。そのうちに突然妻が死んだ。良助は今の通り家に来ることになった。徳蔵はその時から酒を飲み出したんだ。今日も彼は云っていた。『人間には心の中に火を燃すことが大事だ。私等のような者は酒で火を燃すより外仕方がない。』そのことをよく考えてごらん。今分らなくても、お前にもいつかそのことがはっきり分る時が来る。」

重夫は珍らしい父の雄弁にじっと耳を傾けていたが、やがて云った。

「私にも大体は分ります。然しただ分っただけで、その先をどうしようということがなくちゃ、何にもならないじゃありませんか。