Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

十一

綺羅子は半ば呆れたように、半ば蔑むような眼つきでナオミの顔を偸み視ながら、何処までも「まあ」の一点張りでした。

十一

「さあ、譲治さん、ワン・ステップよ。踊って上げるからいらっしゃい」

と、それから私はナオミに云われて、やっと彼女とダンスをする光栄を有しました。

私にしたって、きまりが悪いとは云うものの、日頃の稽古を実地に試すのはこの際でもあり、殊に相手が可愛いナオミであってみれば、決して嬉しくないことはありません。よしんば物笑いの種になるほど下手糞だったとしたところで、その下手糞は却ってナオミを引き立てることになるのですから、寧ろ私は本望なのです。それから又、私には妙な虚栄心もありました。と云うのは、「あれがあの女の亭主だと見える」と、評判されて見たいことです。云いかえれば「この女は己の物だぞ。どうだ、ちょっと己の宝物を見てくれ」と大いに自慢してやりたいことです。それを思うと私は晴れがましいと同時に、ひどく痛快な気がしました。彼女のために今日まで払った犠牲と苦労とが、一度に報いられたような心地がしました。

どうもさっきからの彼女の様子では、今夜は己と踊りたくないのだろう。