Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans

Aozora Bunko

十三

「どうした? 譲治さん、眼がさめた?」

「ああ、もう何時だね」

「もう十時半よ、だけど起きたって仕様がないからどんが鳴るまで寝ていようじゃないの」

雨が止んで、日曜日の空は青々と晴れていましたが、部屋の中にはまだ人いきれが残っていました。

十三

当時、私のこんなふしだらな有様は、会社の者は誰も知らない筈でした。家に居る時と会社に居る時と、私の生活は劃然と二分されていました。勿論事務を執っている際でも、頭の中にはナオミの姿が始終チラついていましたけれど、別段それが仕事の邪魔になるほどではなく、まして他人は気がつく訳もありません。で、同僚の眼には私は矢張君子に見えているのだろうと、そう思い込んでいたことでした。

ところが或る日―――まだ梅雨が明けきれない頃で、鬱陶しい晩のことでしたが、同僚の一人の波川と云う技師が、今度会社から洋行を命ぜられ、その送別会が築地の精養軒で催されたことがありました。私は例に依って義理一遍に出席したに過ぎませんから、会食が済み、デザート・コースの挨拶が終り、みんながぞろぞろ食堂から喫煙室へ流れ込んで、食後のリキウルを飲みながらガヤガヤ雑談をし始めた時分、もう帰っても好かろうと思って立ち上ると、