Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
Lisez 痴人の愛 (ちじんのあい) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 179 399 caractères · 353 écrans
「浜田君………君はどうしてこんな所に?………」
浜田は口をもぐもぐやらせて、何か云いそうにしましたけれど、矢張黙って、私の前に憐れみを乞うかの如く、項を垂れてしまいました。
「え? 浜田君………君はいつから此処に居るんです?」
「僕は今しがた、………今しがた来たところなんです」
もうどうしても逃れられない、覚悟をきめたと云う風に、今度はハッキリとそう云いました。
「しかしこの家は、戸締まりがしてあったでしょう、何処から這入って来たんですね?」
「裏口の方から、―――」
「裏口だって、錠がおりていた筈だけれど、………」
「ええ、僕は鍵を持っているんです。―――」
そう云った浜田の声は聞えないくらい微かでした。
「鍵を?―――どうして君が?」
「ナオミさんから貰ったんです。―――もうそう云えば、僕がどうして此処に来ているか、大凡そあなたはお察しになったと思いますが、………」
浜田は静かに面を上げて、唖然としている私の顔を、まともに、そして眩しそうに、じっと見ました。その表情にはいざとなると正直な、お坊っちゃんらしい気品があって、いつもの不良少年の彼ではありませんでした。
「河合さん、僕はあなたが今日出し抜けに此処へおいでになった理由も、想像がつかなくはありません。