Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
らい
癩
島木 健作
Lisez 癩 (らい) de 島木 健作 (しまきけんさく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 37 753 caractères · 74 écrans
どこかえたいの知れない所へ連れて来られたという不安がその顔に現われ、きょときょととした顔つきをし、何か問いたげにきょろきょろあたりを見まわす、といったような態度をその男に期待していた他の患者たちは失望した。静かではあるが、どこか人もなげにふるまっているような落ち着き払ったその男の態度に、彼らは何かしらふてぶてしいものを感じ、ついには、へん、高くとまっていやがる、といった軽い反感をさえ抱くようになり、白い眼を光らしてしれりしれりと男の横顔をうかがって見るのであった。
静かと言えばその男のここでの生活は極端に静かであった。一日に一度の運動か、時たまの入浴の時ででもなければ人々は彼の存在を忘れがちであった。だだっ広い雑居房にただひとり、男は一体何を考えてその日その日を暮しているのであろうか。書物とてここには一冊もなく、耳目を楽します何物もなく、一日一日自分の肉体を蝕ばむ業病と相対しながら、ただ手を束ねて無為に過すことの苦しさは、隣りの男とでも話をする機会がなければ発狂するの外はないほどのものである。新入りの男はしかし、ただ一言の話をするでもなくまた報知機をおろして看守を呼ぶということもない。