Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はくじつむ
白日夢
豊島 与志雄
Lisez 白日夢 (はくじつむ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 672 caractères · 23 écrans
いた。建築師の一分一厘違わない繩墨で、図面を引かれ拵え上げられた、全く同じな二軒だった。二軒ではあるが、一本の背骨がつきぬけてる、くっついたまま動きの取れぬ長屋だった。
「二軒とも全く同じだね。」
家にはいって私は妻へそう云った。
「そりゃその筈ですよ、同じ形に建てたんでしょうから。」
なるほど、この上もなくはっきりした理屈だが、それにしても変だった。妻の話によれば隣家も私と同じような会社員で、私よりは三つ四つ年上らしく、やはり細君と女中とがあり、子供が二人あった。私だって、もう三四年もしたら、それくらいの年配になり、子供もも一人くらいはふえるだろう。そして両方とも、同じくらいの貧乏さらしい。同じような日々を送り、同じように年老いてゆき、同じ程度の苦や楽を嘗め、同じくらいの小金でも残して、同じように死んでゆくことだろう。そして今現に、朝や晩、私の方で茶の間に集って、つましい食事をしている時分には、隣家でも恐らくそうしてることだろう。両方の生活全体が、同じくらいの日の光を受けて、同じくらいの明るさに輝いてることだろう……。
そんなことを考えながら、私は朝夕出勤の出帰りには、有村道夫とある隣家の表札を、可笑しな気持で眺めずにはいられなかった。