Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しろあり

白蟻

小栗 虫太郎

Lisez 白蟻 (しろあり) de 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 54 099 caractères · 106 écrans

Aozora Bunko

ええまったく、情も悔恨もないあの針を、それから私が、胸にしっかりと、抱くようになったのも、道理ではございませんか」

滝人は暗い眉をしながらも、そう云いながら、瘤の模様を眺めていると、十四郎のあの頃が、呼吸真近に感じられてきて、あああの恰好、これ――と、眼の前にありあり泛んでくるような心持がするのだった。しかし、すぐに滝人は次の言葉をついで、小法師岳の突兀とした岩容を振り仰いだ。

「それから、次の花婿に定められている喜惣は、あの山のように少しも動きませんわ。ここへ来てからというもの、体身中が荒彫りのような、粗豪な塊で埋められてしまい、いつも変らず少し愚鈍ではございますけど、そのかわり兄と一緒に、日々野山を駆け廻っておりますの。それが、私の心を、隅々までも見透かしていて、私をいつか花嫁とするためには、いっそう健康に注意をし、何より、兄よか長生きをしよう――そう考えて、日夜体操を励んでいるとしか思われないのです。白痴の花嫁――そのいつか来るかもしれない、明日の夢のようなものが、私の心の中で、絶えず仄暗く燻っているのです。いっそ焔となって燃え上がってしまえば、そのほうが、ほんとうにどんなにか……」