Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はっけっきゅう
白血球
豊島 与志雄
Lisez 白血球 (はっけっきゅう) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 538 caractères · 24 écrans
がらり…………ぴしゃりと、玄関の格子戸をいつになく手荒く開け閉めして、慌しく靴をぬぐが早いか、綾子は座敷に飛び込んできた。心持ち上気した顔に、喫驚した眼を見開いていた。その様子を、母の秋子は針仕事から眼を挙げて、静かに見やった。
「どうしたんです、慌てきって。……今日はいつもより遅かったようですね。」
「ええ、お当番だったのよ。」
手の包みを其処に置いて、袴も取らずに坐り込んで、それから、低い強い語気で云い出した。
「お母さん!」
「え?」
仕事の手を膝に休めて、秋子は顔を押し進めた。
「お母さん!」とくり返して綾子は一寸息をついた。「この家は変な家ですってね。」
秋子は黙っていた。
「今日ね、あなたの家には何か変なことはなくって、と黒田さんが仰言るのよ。私何のことだか分らなかったから、よく聞いてみると、この家は前から評判の家ですって。何だか怪しいことがあるんですって。それで、どの人もみんな、はいるとじきに引越していって、空いてる時の方が多かったそうですよ。そこへ私達がやって来て落付いてるものだから、知ってる人は不思議がってるんですって。……ほんとに何のこともないの、としつこく黒田さんが仰言るから、ありはしないわ、よしあったって少し位は平気よ、二十世紀の者はお化なんか信じないから、と云ってやったわ。