Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しろがねのえず
白金之絵図
泉 鏡花
Lisez 白金之絵図 (しろがねのえず) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 23 356 caractères · 47 écrans
そこで、坂を下りるのかと思うと、違った。……老人は、すぐに身体ごと、ぐるりと下駄を返して、元の塀についてまた戻る……さては先日、極暑の折を上ったというこの坂で、心当りを確めたものであろう。とすると、狙をつけつつ、こそこそと退いてござったあの町中の出窓などが、老人の目的ではないか。
裏に、眉のあとの美しい、色白なのが居ようも知れぬ。
それ、うそうそとまた参った……一度屈腰になって、静と火薬庫の方へ通抜けて、隣邸の冠木門を覗く梅ヶ枝の影に縋って留ると、件の出窓に、鼻の下を伸して立ったが、眉をくしゃくしゃと目を瞑って、首を振って、とぼとぼと引返して、さあらぬ垣越。百日紅の燃残りを、真向に仰いで、日影を吸うと、出損なった嚔をウッと吸って、扇子の隙なく袖を圧える。
そのまま、立直って、徐々と、も一度戻って、五段ばかり石を築いた小高い格子戸の前を行過ぎた。が溝はなしに柵を一小間、ここに南天の実が赤く、根にさふらんの花が芬と薫るのと並んで、その出窓があって、窓硝子の上へ真白に塗った鉄の格子、まだ色づかない、蔦の葉が桟に縋って廂に這う。
思わず、そこへ、日向にのぼせた赤い顔の皺面で、鼻筋の通ったのを、まともに、伸かかって、ハタと着ける、と、颯と映るは真紅の肱附。