Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ゆり
百合
Lisez 百合 (ゆり) de Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 400 caractères · 9 écrans
良平はふだんこうやられると、たいてい泣き出してしまうのだった。しかしその朝は泣き出さなかった。のみならず頭がふらついて来ても、剛情に相手へしがみついていた。
すると桑の間から、突然誰かが顔を出した。
「はえ、まあ、お前さんたちは喧嘩かよう。」
二人はやっと掴み合いをやめた。彼等の前には薄痘痕のある百姓の女房が立っていた。それはやはり惣吉と云う学校友だちの母親だった。彼女は桑を摘みに来たのか、寝間着に手拭をかぶったなり、大きい笊を抱えていた。そうして何か迂散そうに、じろじろ二人を見比べていた。
「相撲だよう。叔母さん。」
金三はわざと元気そうに云った。が、良平は震えながら、相手の言葉を打ち切るように云った。
「嘘つき! 喧嘩だ癖に!」
「手前こそ嘘つきじゃあ。」
金三は良平の、耳朶を掴んだ。が、まだ仕合せと引張らない内に、怖い顔をした惣吉の母は楽々とその手をぎ離した。
「お前さんはいつも乱暴だよう。この間うちの惣吉の額に疵をつけたのもお前さんずら。」
良平は金三の叱られるのを見ると、「ざまを見ろ」と云いたかった。しかしそう云ってやるより前に、なぜか涙がこみ上げて来た。