Classiques japonais avec furigana
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とうなん
盗難
宮本 百合子
Lisez 盗難 (とうなん) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 371 caractères · 13 écrans
皆は、杉の生垣に喰い込んで居る朽ちた様な階子を、触ったりガタガタ云わせたりした。
けれ共、それは、何処のだか知って居るものは誰も居なかった。
「どこんでしょうね、うちのは高い所に吊り上げてあるし、もっとずーっと長いしするから……
おとなりんじゃあないでしょうか。
「そうかもしれない、
あ、ほらね此処が此那に折れてるでしょう。
向うから此方へ階子を下して、此れを足がかりにして登ったんです。
巡査は、垣根際の桃の木をさした。
生れてこのかた、今日まで泥棒と云うものに入られた事のなかった私は、此那ことをして一々探索してあるく事が此上なく、面白かった。
命に別状さえなく、彼那嫌な風付きにさえならないですむなら、たまには探偵も面白いだろうなどと思われた。
第一の入口は斯様にして分ったけれ共、どこから家の中に入ったかと云う事が疑問であった。
水口の所にやや暫く立ちどまって、しきりに戸を外から、押したり叩いたりして居た巡査は、急にさも満足したらしい、得意そうな声をあげて叫んだ。
「漸う分りました。此処からです。此処から入ったんです。
間違いなく此処です。
そら、斯う鍵が掛って居ますねそれを斯う分けましょう。