Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
びざん
眉山
Lisez 眉山 (びざん) de Dazai Osamu (太宰 治) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 141 caractères · 15 écrans
」
それ以来、その洋画家は、新宿の若松屋に於いては、林先生という事になった。本当は二科の橋田新一郎氏であった。
いちど僕は、ピアニストの川上六郎氏を、若松屋のその二階に案内した事があった。僕が下の御不浄に降りて行ったら、トシちゃんが、お銚子を持って階段の上り口に立っていて、
「あのかた、どなた?」
「うるさいなあ。誰だっていいじゃないか。」
僕も、さすがに閉口していた。
「ね、どなた?」
「川上っていうんだよ。」
もはや向っ腹が立って来て、いつもの冗談も言いたく無く、つい本当の事を言った。
「ああ、わかった。川上眉山。」
滑稽というよりは、彼女のあまりの無智にうんざりして、ぶん殴りたいような気にさえなり、
「馬鹿野郎!」
と言ってやった。
それ以来、僕たちは、面と向えば彼女をトシちゃんと呼んでいたが、かげでは、眉山と呼ぶようになった。そうしてまた、若松屋の事を眉山軒などと呼ぶ人も出て来た。
眉山の年齢は、はたち前後とでもいうようなところで、その風采は、背が低くて色が黒く、顔はひらべったく眼が細く、一つとしていいところが無かったけれども、眉だけは、ほっそりした三ヶ月型で美しく、そのためにもまた、眉山という彼女のあだ名は、ぴったりしている感じであった。