Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いちりこしゅぎしゃとゆうじんとのたいわ
石川啄木集(下)
石川 啄木
Lisez 石川啄木集(下) (いちりこしゅぎしゃとゆうじんとのたいわ) de 石川 啄木 (いしかわたくぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 069 caractères · 15 écrans
火星の芝居
『何か面白い事はないか?』
『俺は昨夜火星に行って来た』
『そうかえ』
『真個に行って来たよ』
『面白いものでもあったか?』
『芝居を見たんだ』
『そうか。日本なら「冥途の飛脚」だが、火星じゃ「天上の飛脚」でも演るんだろう?』
『そんなケチなもんじゃない。第一劇場からして違うよ』
『一里四方もあるのか?』
『莫迦な事を言え。先ず青空を十里四方位の大さに截って、それを圧搾して石にするんだ。石よりも堅くて青くて透徹るよ』
『それが何だい?』
『それを積み重ねて、高い、高い、無際限に高い壁を築き上げたもんだ、然も二列にだ、壁と壁との間が唯五間位しかないが、無際限に高いので、仰ぐと空が一本の銀の糸の様に見える』
『五間の舞台で芝居がやれるのか?』
『マア聞き給え。その青い壁が何処まで続いているのか解らない。万里の長城を二重にして、青く塗った様なもんだね』
『何処で芝居を演るんだ?』
『芝居はまだだよ。その壁がつまり花道なんだ』
『もう沢山だ。止せよ』
『その花道を、俳優が先ず看客を引率して行くのだ。火星じゃ君、俳優が国王よりも権力があって、芝居が初まると国民が一人残らず見物しなけやならん憲法があるのだから、それはそれは非常な大入だよ、そんな大仕掛な芝居だから、準備にばかりも十カ月かかるそうだ』