Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ひぶん

碑文

豊島 与志雄

Lisez 碑文 (ひぶん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 294 caractères · 27 écrans

Aozora Bunko

打明けてくれないか。」

「滅相もないことを仰言います。奥様を御大切には思っておりますが、召使の身分として大それた考えは決して致しません。」

「然し、伯父さんは僕に、医者とか医学とかを信用しないといって、昔風の煎薬と塗薬とだけを頼りにしていられるが、それと、君が今いったことと、どちらが本当だろう。」

「どちらも本当でございましょう。」

「どちらも本当……。」

曹新は何かにぶつかったように口を噤みましたが、ふと調子を変えました。

「も一つ、杯を持って来てくれないか。」

「はい、何になさいますか。」

「なんでもいいから、持って来てくれ。」

そして月の光の中を、歩きまわりました。

やがて徐和が、水瓜の種と落花生とを盛った皿と、グラスを、銀の盆にのせて持って来ますと、曹新は彼を自分の横に坐らせて、ウイスキーをついでやりました。

「いろいろ君に聞きたいこともあるから、まあ、飲みながら話そう。」

徐和は素直にグラスを受けました。

曹新は声を低めて、ゆっくりといい出しました。

「君はいろいろ知識もあり、頭もよく、それにもう相当な年配になっていながら、伯父さんのいうことには何一つ逆らわず、こんどの伯母さんのこともそうだし、全く盲従しているようだが、それは一体、どういうわけかね。