Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

かみだな

神棚

豊島 与志雄

Lisez 神棚 (かみだな) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 21 427 caractères · 44 écrans

Aozora Bunko

霙交りの雨が、ぽつりぽつりと落ちてくる気配だった。俺はふと足を止めて、無関心な顔付で、空を仰いでみた。薄ぼんやりした灰色の低い空から、冷い粒が二つ三つ、頬や鼻のあたりへじかに落ちかかってきて、その感じが、背筋を通って足先まで流れた。

「愈々やってきたな。」

ふふんという気持で俺は呟いたが、その気持がはたと行きづまって、一寸自分でも面喰った。――朝から金の才覚に出かけたが、或る所では断られ、或る所では主人が不在で、初めから大したものでもなかった意気込みまで、何処へか取失ってしまい、その上昼食も食いはぐしてしまってぼんやり歩いてるうちに、いつしか夕方になったのだった。蟇口は相変らず空っぽのままだし、胃袋には一片の食物も残っていないし、外套もつけていない吹き曝しの身に、雪になりそうな雨まで落ちかかってきた。だがそんなことは、まあいいや、明日という日がないじゃなし! と空嘯いてみたものの、さてこれから、どうしよう……ということより寧ろ、何処へ行こうということが、ぴたりと気持を遮ってしまった。このままぼんやり歩き続けて、銘仙の一張羅を雨に濡らしてもつまらないし、それかって一寸訪ねる家もないし、また自分の家へ帰るとすれば、お久の剣突か涙声か、何れ碌なことには出逢わないのだし……はて?