Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まつりのよる

祭りの夜

豊島 与志雄

Lisez 祭りの夜 (まつりのよる) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 781 caractères · 20 écrans

Aozora Bunko

彼はごく稀に、ひそやかにやって来て、二三泊ほどしていくこともあるらしく、また、客を連れて来て深夜まで飲食し談合することもあるらしかった。彼も、また政代も、この土地では、なるべく人目につかないようにしているようだ。八杉は、軍部の嘗てのストック物資の不正取引に、なにか関係があるらしいと、沖本が私に囁たことがある。

それでも、政代は人目につきやすかった。娘の三味線の手ほどきを頼まれて、数軒の家へ出稽古に行っていた。祭礼の演芸会に出てくれとも頼まれたが、それはきっぱり断わった。

「お祭りの夜は、家でお酒でも飲んでるのが、いちばん楽しいわね。こんなこと、わたし初めて知った。」

「酔っぱらって、山車にのっかって踊るのは、どうですか。」

「そんなのは、若いうちのことよ。」

彼女の眼がともすると、深い陰を湛えそうになるのへ、私は気がひかれがちだった。

樽神輿がまたかつぎ出されてるらしく、波のような人声がきこえてきた。それが消えると、遠い太鼓の音が続いたり絶えたりする。風が少し出てきたらしい。

お留さんが帰ってきて、甘栗の袋をあけながら言う。

「なんだか、降りそうですよ。