Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あきふかき
秋深き
織田 作之助
Lisez 秋深き (あきふかき) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 176 caractères · 27 écrans
医者に診せると、やはり肺がわるいと言った。転地した方がよかろうということだった。温泉へ行くことにした。
汽車の時間を勘ちがいしたらしく、真夜なかに着いた。駅に降り立つと、くろぐろとした山の肌が突然眼の前に迫った。夜更けの音がそのあたりにうずくまっているようだった。妙な時刻に着いたものだと、しょんぼり佇んでいると、カンテラを振りまわしながら眠ったく駅の名をよんでいた駅員が、いきなり私の手から切符をひったくった。
乗って来た汽車をやり過してから、線路を越え、誰もいない改札口を出た。青いシェードを掛けた電球がひとつ、改札口の棚を暗く照らしていた。薄よごれたなにかのポスターの絵がふと眼にはいり、にわかに夜の更けた感じだった。
駅をでると、いきなり暗闇につつまれた。
提灯が物影から飛び出して来た。温泉へ来たのかという意味のことを訊かれたので、そうだと答えると、もういっぺんお辞儀をして、
「お疲れさんで……」
温泉宿の客引きだった。頭髪が固そうに、胡麻塩である。
こうして客引きが出迎えているところを見ると、こんな夜更けに着く客もあるわけかとなにかほっとした。