Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lisez 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) de 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 84 829 caractères · 169 écrans
「そうして下さい、兄さん」
「ばか、兄さんは一と晩や二た晩眠らなくたって疲れやせんよ、ぐずぐずしていると、みんなが疲れてしまうじゃないか!」
謙一に叱りつけられたので、英夫と祥子は、あすにそなえるため、出来るだけ眠っておくことにした。
天幕に入って、ふとクラパの寝床をのぞいて見ると、中は藻抜けのからだった。
「兄さん、クラパがいませんよ、どこへ行ったんでしょう!」
「まあ……、どこへ行ったんでしょうね、寝床の中がすっかり冷えきってるわ」
「ふむ……すると、かなり前に出て行ったわけだね」
「そうですわ、あたしたちが焚火のそばにいたのはかなり長かったようですもの!」
「そいつは、すこし困ったな」
謙一が天幕をのぞきこんで、じっと考えていた。
「まさか、逃げ出したんじゃあないでしょうね」
「あるいはそうかも知れんよ、あっはっは……」
謙一は突然笑い出した。
「……なかなかしっかりした男だと思っていたら、やっぱりそうだったよ」
「えっ!」
「そのうちに帰ってくるさ、何かおみやげでも探しに行ったんだろう」
「だって左手が、すっかりだめになっていますよ……」
「なあにあれでも、必要があれば首狩ぐらいやりかねない男だよ、……とにかく君たちは寝るんだ、寝るんだ」