Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
くうしゅうそうそうきょく
空襲葬送曲
海野 十三
Lisez 空襲葬送曲 (くうしゅうそうそうきょく) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 95 012 caractères · 189 écrans
「はッ」曹長は、一礼してそれを受けとると、機上から上半身を乗りだして、遥かの下界を向いて双眼鏡のピントを合せた。
「見えないか」
「判りましたッ」
「どうだ」
「焼土ばかりです。附近に、家らしいものは、一軒も見えません」
「戦争じゃからナ」中佐は、気の毒に耐えぬといった調子で、今から一と月程前までは、社会局の名事務員だった浅川岸一を慰めたのだった。
「浅川は、司令部の御命令で、昨夜は、立川飛行聯隊の宿舎に閉じこめられ、切歯扼腕していました。この上は、早く敵機に、めぐり逢いたいであります」
小さいけれど、彼の懐しい裏長屋は、影すら見えなかった。そこには、用務員をしている父亀之助と、年老いた祖母と、優しい母と、ダンサーをしている直ぐ下の妹舟子と、次の妹の笛子と、中学生の弟波二とが、居た筈だった。彼等は、憎むべき敵機の爆弾に、蹴散らされてしまったのだった。今頃は、どこにどうしていることやら。生か、それとも死か。彼は、折角飛行命令が出たのに、求める敵機の、姿も影も見当らないのを、残念がった。
「おお、あれは何だろう!」
突然、眼のいい塩原参謀が、怒鳴った。
「なに※(感嘆符疑問符、1-8-78)」中佐は、参謀の指す彼方を、注視した。