Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まどにさすかげ

窓にさす影

豊島 与志雄

Lisez 窓にさす影 (まどにさすかげ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 068 caractères · 26 écrans

Aozora Bunko

幾人かの視線を、そして兄と利光さんの視線をも、身に感じたが、怯みはしなかった。

仏前に坐って、私はすっかり落着いた気分になった。蝋燭もお線香も燃えつきていた。私は新らしい蝋燭をともし、お線香を何本も立てた。

その時、私は祖母の白衣のことを思い起した。祖母が息を引き取り、その体がすっかり拭き清められると、羽二重の白無垢に着換えさせられた。その羽二重の白無垢を、私は前に一度も聞いたこともなければ見たこともなかった。へんに唐突なそして意外な感じだった。その衣は、いつ拵えられ、どこにしまわれていたのであろうか。

白布に包まれてる遺骨の箱を見ながら、私はやたらに幾本もお線香を立てた。

火葬とそれからお骨上げは、痛々しい感じだったが、直後に、清浄な感じに変った。墓窟へのお納骨は、陰欝な感じで、あとは寒々とした感じが残った。

帰りの自動車の中で、A叔母さんは私の手を握って囁いた。

「お祖母さまの笑顔とやら、どうだったの。見えなかったでしょう。見えなくていいのよ。もうそんなこと忘れておしまいなさい。これからがほんとに淋しくなるんだけれど、あなたも気持ちでは独り立ちしなければならないから、しっかりするんですよ。