Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

まど

窓

岡本 かの子

Lisez 窓 (まど) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 773 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

ところで、二人は一緒に死ねなかった。死ぬほどの熱情を男も女も失っていた。只、死に度いとは、あせりにあせった。夜も眠らず、昼も食べずに。しかし仇な努力であった。別れる日が来た。女は離愁に堪えられなかった。この辛さもみんな男の多情からだと、一さいの後の怒りがまた女によみがえった。男はまた何が何でも元通り女と一緒に棲んで行き度いと願った。

が、別れるのが、やっぱり二人の運命だった。いよいよ別れる時が来た。男の荷造りもすっかり終った。

二人はいきなり抱き合った。泣きに泣いた。泣き入った。怒りも絶望も、愛執も離愁も一つに籠めて。

やがて二人は泣き疲れた。二人は黙って、離れ離れに椅子へ倚った。

開け放された窓が二人の眼の前に在った。二人は殆ど同時に溜息をした。疲れた空洞のような眼が、ひとしく窓へ向けられた。

窓! 窓!

二人は二人の始めから、この窓に就いての多くの思い出を持っている。男の頭に今、ひらめいたその一つ、――真赤な夕焼空に、ぱらぱらと幾つもの鳥が真黒に飛んでいた。それを男はじっとこの窓から見ていた。寒い木枯が、さっと吹き込んでも、男は窓を閉めなかった。