Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

たてふだ

立札

豊島 与志雄

Lisez 立札 (たてふだ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 218 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

揚子江の岸の、或る港町に、張という旧家がありました。この旧家に、朱文という男が仕えていました。

伝えるところに依りますと、或る年の初夏の頃、この張家の屋敷の一隅にある大きな楠をじっと眺めて、半日も佇んでいる、背の高い男がありました。それを、張家の主人の一滄が見咎めて、何をしているのかと尋ねました。

「楠を見ているのです。」と背の高い男は答えました。

「それは分っているが、なぜそんなに見ているのか。」

「珍らしい大きな木だから、見ているのです。」

実際、それはみごとな大木でした。山地の方へ行けば、そのような木はいくらでもありますが、この辺の平野には至って珍らしいもので、根本は四抱えも五抱えもあるほどにまるくふくらみ、それから少し細って、すくすくと幹が伸び、上にこんもりと枝葉の茂みをなしています。張家の自慢の木でありました。それを誉められて、張一滄が大きな鼻をうごめかしていますと、背の高い男はほーっと溜息をついていいました。

「珍らしい大きな木だが、可哀そうなことをしましたね。」

「ほう、可哀そうなこととは、どういうことかね。」

「あんなに、蓑虫がたくさんついています。