Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たちがれ
立枯れ
豊島 与志雄
Lisez 立枯れ (たちがれ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 613 caractères · 41 écrans
よろしいと鷹揚に答えると、彼女は調子を早めて、これから使の人をよこすからその人に渡して下さい、いずれ後でお話する、とそんなことを云ってしまって、さようなら、またあした……とだけで電話がきれた。
中江はほっとすると共に、何だか物足りなかった。それから身内に疲労を覚えた。寝転んでキミ子の使の者を待った。待つということだけに幸されて、時間が苦もなくたった。
女中が取次いだキミ子の手紙には、「先ほどのもの、この人にお渡し下さい。」とだけの走り書だった。中江はばかにされたような気持で、簡単に拾円紙幣を二枚紙にくるんで封筒に入れ、それを持って玄関に出てみた。三十歳くらいの、髪をひきつめに結った、粗末な黒っぽい着物の女が、玄関に立っていた。中江の姿を見ると、ぎごちない軽いお辞儀をした。それきりで、眼にも口許にも、何の表情も示さなかった。中江がじっと見ると、化粧のない浅黒い彼女の顔は、硬く石のようになった感じだった。
「これを、渡して下さい。」
「はい。」
低いが妙に澄んだ美しい声で、それから、一寸何かを待つように間をおいて、も一度ぎごちないお辞儀をして、そのまま出ていった。