Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
たちがれ
立枯れ
豊島 与志雄
Lisez 立枯れ (たちがれ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 20 613 caractères · 41 écrans
気恥しい打撃だった。キミ子は嘗てそんなことは色にも現わさないで、中江がこういう土地の酒を飲むことを、中江の健康のために心配してみせるだけだった。ばかりでなく、キミ子の生活の半ばは、実際影のなかに隠れて見えなかった。それに比べると、島村と静葉との間柄が、如何に影の少い公然たる朗かさを持っているかが、中江の眼に映じてくるのだった。
「呼ぼう、島村君を呼び出そうじゃないか。」と中江は云い出した。
「そうね。」
当り前だという調子で、静菓が自分で電話をかけに立っていった。機械的に一寸島田の髪に手をやって、引いてる裾を器用にさばいて、肥った大柄な身体をすっと襖の陰に消していくその後ろ姿を、中江はじっと見送ったが、その眼を膝に落すと、あぐらの足先にたくねたお召の着物の裾に、白いものがあった。よく見ると、そこがすり切れていて、一寸ばかり裾綿が覗きだしているのだった。それを眺めているうちに、彼は酒の酔がさめかかった。久しぶりに吉松へ一人でやって来たのも、行きつけの喜久本へはだいぶ不義理があるからのことだったが、着物の裾の破れから、そうした自分の不如意が頭にはっきり映ってきた。