Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

どうてい

童貞

豊島 与志雄

Lisez 童貞 (どうてい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 6 314 caractères · 13 écrans

Aozora Bunko

首筋まで全身をぐったりと湯に任せ、後頭部を浴槽の縁にもたせかけて、もーっとした湯気の中から、ぼんやりした電燈の目玉を眺めていた。

何にも考えることが出来なかった。身体の節々に力がなかった。はずみをつけて動いていた気分が静まり淀んで、それから、疲れきったのろい渦を巻き初めた。それに引き込まれて気を失いそうだった。

きりきりと金物の軋るような音が……ごーっと暴風の吹き過ぎるような音が……どこか遠くでしていた。

「……お加減は……。」

はっと我に返って立上った。湯をじゃぶじゃぶやった。――誰が加減なんか悪いものか。

「あの……お加減は如何でございますか。」

戸の外からお千代の声がはっきりしてきた。湯の加減だったのか。……丁度ぬる加減でよかったが、然し、頭がふらふらしていた。

「丁度いいよ。」

元気よく答えてやったけれど、それだけで、身を動すのも大儀だった。

「床をとっといて下さい、すぐに寝るんだから。」

誰にともなく大きな声で云っておいて、湯殿から飛び出しかけた。が、……茶の間をぬけて寝室の方へ行くのには、母の前を通らなければならなかった。着物を抱えて真裸のままで母の前を……。