Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
だいよじげんのおとこ
第四次元の男
海野 十三
Lisez 第四次元の男 (だいよじげんのおとこ) de 海野 十三 (うんのじゅうざ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 9 156 caractères · 18 écrans
わたくしは、そのとき、咽喉のところまで出てきたことば――藤田さん、わたくしが見えるかね、わたくしの身体が――と聞きたいのを懸命に我慢した。そしてわたくしは、自分の背後をふりかえってみたのであった。それはもしや藤田師が、わたくしの後に立っている他の者に対して、話しかけたのではないかを知るためだった。
その結果、わたくしは、初めて、大安心をすることができた。わたくしの後には誰もいなかった。廊下は、奥の方まで素通しで、猫一匹、そこにはいなかった。
「やあ、藤田さん。ゆうべは、だいぶん儲けたらしく、機嫌がいいね。はははは」
と、わたくしは、初めて笑いごえを立てた。
「うふ、ゆうべだけじゃないよ。このごろは、亡者ども、一般に金まわりがよいと見えて、見料の外にチップを置いていくよ。呆れた時勢だな。はッはッはッはッ」
藤田師の笑い声は、わたくしにとって、千両万両の値打があった。わたくしの身体は、たしかに見えるのである。その証明が、この藤田師によって、りっぱに立ったのである。わたくしは、天にものぼらんばかりの巨大なる悦びを感じた次第であった。
この悦び、この安心!
だが、わたくしにとって、解けぬ謎は、あの夜の戸山ッ原の怪事件であった。