Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ささめゆき

細雪

谷崎 潤一郎

Lisez 細雪 (ささめゆき) de 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 226 715 caractères · 431 écrans

Aozora Bunko

と、貞之助はいくらかぽうっと来たらしく、色つやのよい顔を光らせながら、

「どうも昨今は、酒も料理もだんだん窮屈になって来ましたが、此処の家はいつもこんなに御馳走が出るんでしょうか」

「いいや、そうじゃあないでしょう」

と、橋寺が云った。

「今日のは丹生さんの奥さんのお顔で、特別の料理なんでしょう」

「そう云う訳でもないんですけれど、此処は宅の主人が贔屓にしているもんですから、割合に我が儘が利くんですの。それに今日は、『吉兆』と云う名がおめでたいと思って、此処の家にしたんですの」

「今奥さんはキッチョウと仰っしゃいましたが、ほんとうは『吉兆』と書いてキッキョウと読むんじゃないんでしょうか」

と、貞之助が云った。

「―――これは多分、関東の方は御存知ない言葉だと思うんですが、大阪にキッキョウと云うものがあるのを、井谷さんは御存知ですか」

「さあ、わたくし存じませんけれど、………」

「キッキョウ?―――」

と、橋寺も首をかしげて、

「わたくしも存じませんな」

「あたし知ってるわ。―――」

と、丹生夫人が云った。

「―――キッキョウって、ほら、あれじゃないの。十日戎の日に西宮や今宮で売ってる、笹の枝に小判だの大福帳だの千両箱だのを結い着けた、あれのことじゃないの」