Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ぜつえんたい

絶縁体

豊島 与志雄

Lisez 絶縁体 (ぜつえんたい) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 18 752 caractères · 38 écrans

Aozora Bunko

土居さんはそれを、注意深く二度繰り返し読んだ。そして私の方へ廻した。

手紙は、信州の田舎の、市木家の菩提寺の住職から来たものだった。市木さんの亡妻と弘子さんとのための永代供養料としての二万円を、確かに受け取ったこと、それから次で、弘子さんの遺骨も到着したから懇ろに弔ったことなど、毛筆で荘重に誌されていた。

土居さんは訳が分らなくなったらしかった。私とてもそうだった。本人とその死体とは別物だという説、遺骨を小包郵便などで送りつける仕方、永代供養料としての多額な金の寄進、それらのことの間にどういう脈絡があるのか、市木さんの真意が掴めなかった。

考え込んでいた土居さんは、何かに胸を衝かれたかのように顔を挙げた。

「あなたは、金を寄進することによって、凡てを帳消しにする。つまり、金銭で贖ってやれと、そういうおつもりなんでしょう。」

「ははあ、あなたらしいお考えですな。」

土居さんはひどく渋い顔をした。そして酒を何杯か飲み、もはや問答無用というような眼付で市木さんを睥みすえ、私の方へは目礼をして、他に急用があるからと言って辞し去った。

市木さんは玄関まで送ってゆき、戻ってきて座に就きながら言った。