Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

わなにかかったひと

罠に掛った人

甲賀 三郎

Lisez 罠に掛った人 (わなにかかったひと) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 112 caractères · 21 écrans

Aozora Bunko

「あッ! あなた?」

と叫んで、短刀をガラリと落すと、張りつめた力を急に失なったように、ガックリと友木の胸に凭りかかった。

「無茶じゃ。無茶じゃ」

危く生命を落す危険から逃れてホッとしながら、恐怖に蒼ざめた顔をしかめて、玉島は叫んだ。

「何が無茶だ」

友木は憎悪に充ちた眼で蒼くなっている玉島を見ながら怒鳴った。

「何が無茶じゃて? こんな無茶な事が世の中にあるもんかいな。貸した金を返えしもせず、人を殺そうとするなんて、阿呆らしくてものが云えんがな」

「ものが云えなければ黙ってろ。貴様のような奴は殺しても好いのだ」

「無茶苦茶じゃ。謝りもせんと、云いたい事を吐かす。もう辛抱が出来ん。わしは告訴する」

「ふん、告訴でも何でもして見ろ。俺はもうお前なんか恐くないぞ」

「わしは恐うのうても、お上は恐いぞ」

「恐くない」

「阿呆云うな。牢へ這入らんならんぞ」

「構わない」

「無茶じゃ。無茶じゃ。そんな事云わんと、金を返えして呉れ」

「ふふん。そんなに金が欲しいか。金を返えせば文句はないんだな」

「金を返えして、大人しゅう引取って呉れたら、何にも云わん」

「よし、では金を返してやるから、証文を寄越せ」