Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
わなにかかったひと
罠に掛った人
甲賀 三郎
Lisez 罠に掛った人 (わなにかかったひと) de 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 112 caractères · 21 écrans
私はあの吸血鬼のような玉島を殺して自殺する。お前一人なら、どうにかして生きる道を見出す事が出来るだろう。意気地のない亭主の事などは、永久にお前の記憶から抹殺して、生甲斐のある生き方をして呉れ」
こんな遺書を書き残して置こうかと思ったが、何だか余り月並な夫のする事と思ったし、それに見つかり方が早くて、玉島を殺す所を留められるような事になっても困るし、友木は妻には何にも知らさない事にした。
玉島の家は無人ではあったが、戸締りは中々厳重らしい。噂によると、夜の警戒は一層激しいと云う事であるから、どうして忍び込むかと云う事が問題だった。殺す方法は更に問題だった。友木には短刀は愚か、肥後守のような簡単な小刀さえなかった。そんなものを買う金は無論ない。もしそんな金があったら、仮令それが十銭であったにしろ、芋でも買って餓を凌ぎ、玉島を殺す事は明日の問題にしたに違いないのだ。友木は玉島を殺すべき兇器さえ持たない事を思うと、苦笑せざるを得なかった。
蝋燭は最後の燃えんとする努力をするように、パッと一瞬間明るくなると共に、見る見る焔が小さくなって、忽ち消て終った。
友木はのっそりと真暗な部屋を出た。