Classiques japonais avec furigana
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びじんたかじょう
美人鷹匠
大倉 燁子
Lisez 美人鷹匠 (びじんたかじょう) de 大倉 燁子 (おおくらてるこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 12 870 caractères · 26 écrans
鷹の爪
達也は興奮して母の手を握り、足をバタバタやって見ていた。その時、ふとした表情に小夜子は花の俤をはっきりと見た、彼女はハッと胸を打たれて、握っている達也の手を思わず振り放した、顔ばかりではない、夢中になって跳ねている姿が、やっぱり花そっくりだ、彼の全身到る所に花の面影がある。
小夜子は軽い眩暈を感じた。もしや、夫がその面影を人知れず懐しんでいるとしたら――と、思うと、彼女は堪らなかった。
見物は面白そうに、他愛なく喜んでいる、その中に、小夜子一人は深い物思いに打ち沈んでいるのだった。
「達ちゃん、もう帰りましょうよ」
「お母様、僕、まだ帰るのいやだよ」
達也はなかなかその場を離れようとしなかった。
鷹の爪
その日を始めとして、美人鷹匠はその仇めいた姿を毎日空地に現わした。夕方引揚げる時には鳥籠は空っぽで、雀も鳩も売切れという繁昌ぶりだった。
達也の鷹狩熱はなかなかさめなかった。毎日雀を一羽、二羽、と捕って帰った、捕った雀は新らしく買った大きな鳥籠に入れて飼っておいたが、どういうものか、次ぎ次ぎと死んで行った。
鷹匠が現われてから恰度七日目だった。
小夜子は外出から戻って内玄関へ上ろうとすると、俄かに門前が騒々しくなって、小砂利の上を馳ける大勢の跫音が、ただならぬ出来事を語った。