Classiques japonais avec furigana
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つばさのやぶれたからす
翼の破れたからす
小川 未明
Lisez 翼の破れたからす (つばさのやぶれたからす) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 807 caractères · 8 écrans
毎日、毎日、それに変わりがなかったのでありました。
太郎は、ある日、家の前に立って、頭の上を、カア、カア、と鳴いてゆく、からすの群れをじっと見上げていたのでした。
黒く、さおのように、一列になって、からすの群れは、西の空をさして飛んでゆきました。いちばん先のからすが、疲れると、つぎのからすが先になりました。そのからすが、すこし後れると、後のからすがいちばん先になるというふうに、なんでも、元気のいい敏捷なからすが、いちばん先頭になって、みんなを率いて、ゆくように見えたのです。
からすは、おたがいに、元気をつけあって、そして、みんなが、列から、はずれないようにしてゆきました。また、先頭のからすは、行く手にあった野原や、河や、海浜や、村や、町などにも注意を配らなければなりません。いつ、どんなものが、自分たちを狙うかわからないからです。
太郎は、からすの列がただしいのを見て感心しました。そして、彼は、いくついるだろうかと先になっているのから、一つ、一つ、数えてみていたのでした。
太郎は、このからすの群れの中に、ただ一羽、片方の翼が傷んでいる、哀れなからすを発見しました。