Classiques japonais avec furigana
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だっせんむすこ
脱線息子
佐々木 邦
Lisez 脱線息子 (だっせんむすこ) de 佐々木 邦 (ささきくに) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 108 293 caractères · 221 écrans
「真正に君、一体何うする料簡だ?」
「おれは自分で自分が分らない」
「仕様がないなあ」
と寛一君は長歎息するばかりだった。
丁度その日のその刻限に新太郎君の家ではお父さんが発病した。外から帰って来ると間もなく眩暈がして二三回吐いた。かゝりつけの丹波さんが直ぐに駈けつけて、暑気中りと診断した。
「鬼の霍乱でしょう」
と翌日店員達は当分寛げる積りだった。しかし西川さんは我慢の強い人だから、二日寝たきりでもう帳場へ顔を出した。
「如何でございますか?」
「有難う。もう宜しい」
と言って仕事をしていたが、実は頭が重かった。病気をしたことのない人は兎角無理をする。これが悪かったと見えて、西川さんは夜寝られなくなった。妙に目が冴えて店のことが気にかゝる。新太郎君の将来が案じられる。自分に万一のことがあったら何うするのだろうと思う。輾転反側、明方までまんじりともしない。そこで或晩丹波さんへ行って具に容態を訴えると、
「過労ですよ。少し神経衰弱が来ています」
とあった。
「しかしあれは若いものゝかゝる病気の筈でしたがな」
と西川さんは少々不平のようだった。
「お若い証拠ですよ。