Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

Lisez 自由人 (じゆうじん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 030 caractères · 139 écrans

Aozora Bunko

考えてみると、そういうことがすべて、怪しいのだ。わたしが不安を感ずるのも、実は根拠のないことかも知れないし、無籍者という言葉にびっくりしたのも、実は思いすごしかも知れないし、北村さんがへんに隠し立てするようなのも、他に何の理由もないのかも知れないし、すべて取るに足らないことかも知れない。しかし、その取るに足らないことごとが、へんにわたしの気持ちを波立たせるのが、怪しいのだ。これも、ああ、愛情の故か。いいえ、違う。何かある、たしかに何かある。

わたしは無理にビールを飲んだ。そして他に事もなく、用があると言って北村さんに別れ、不忍池のまわりをぶらついた。

菅原さんは、やがて東京に帰って来るだろう。それは確かだ。あの人が無籍者だというのは単なる渾名だろう。あの人にはそういう色合いがある。けれど、あの人が東京に帰って来たら、きっと、なにか変事が起りそうだ。わたしの身にとってではない。あの人の身にとってでもない。あの人を中心に、その周囲に、なにか変事が起るに違いない。それが、恐ろしいとか怖いとかいうのではないが、やはり、大きな不安の影をわたしの心に投げかけるのだ。