Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じゆうじん

自由人

豊島 与志雄

Lisez 自由人 (じゆうじん) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 69 030 caractères · 139 écrans

Aozora Bunko

三

その天元の語感から、一脈の糸を引いて、紹興のことが浮んできた。――料理店紹興は、地名から来たものではなく、支那酒老酒の本場物たる紹興酒から来たものだ。菅原洋平は終戦後だいぶたってから中国から帰国し、東京に出て来た当時は、紹興の奥の一室に寄宿していた。天元社に勤めるようになってから、北村庄作と識り合い、北村の二階に移転して来たのである。

――俺は迂濶だった。千重子を紹興に案内した時に、なぜそれを思いつかなかったのだろう。菅原の後援者は、恐らく紹興の主人だろう。

もっとも、あの時には、菅原の後援者などは必要なかったのだ。然し、今では事情が違う。天元社の不正行為について、たとい幾分でも菅原に疑いがかかっているとすれば、その疑いを晴らすために、菅原の経済的援助者が必要となってくる。それとも、菅原は秘密の財産を持っているのであろうか。

北村はまた、顔ににじみだしてくる汗を拭った。

三

たとい揶揄にせよ或は冗談にせよ、菅原洋平に対する無籍者だとの影口には、その原因があった。

天元社は終戦直後に出来た出版社で、気勢を揚げるために、主要な関係者や執筆者を招き、社員一同で、ちょっとした宴会を催すことになっていた。