Classiques japonais avec furigana
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じけいろく
自警録
新渡戸 稲造
Lisez 自警録 (じけいろく) de 新渡戸 稲造 (にとべいなぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 168 224 caractères · 328 écrans
第九章 心の独立と体の独立
友人を擲った少年時代の追懐
世の中を見渡すに何らの責任ある位地におらず、単に筆鋒なり口先きで批評のみする人が一番評判がよい。今までこれといって局に当たり意志を実行せんとする場所におらぬものは、一番悪く言われぬものである。ゆえに気の弱い者は、
笛ふかず太鼓たゝかずしゝまひの後足となる胸のやすさよ
で、何事もせねば非難も憎悪も免れるのである。僕の知人にして、今は故人となったが、生前公職につき藩政に与って大いに尽した人があった。ついに怨みを買って蟄居のあいだに死んだが、自分の経験を一冊の書に綴りて『桜花物語』と題して子孫に遺したが、その人は常に左の古歌を愛吟した。
咲かざれば桜を人の折らまじを桜の仇はさくらなりけり
実にこの歌の通り大小となく仕事するものは、必ず何人かに怨みを受けるものである。いわゆる人から邪魔に思われるものである。
佐藤一斎先生の語に、
「罪なくして愆ちを得る者は非常の人、身一時に屈して、名後世に伸ぶ。罪ありて愆ちを免るる者は奸侫人、志一時に得て、名後世に辱ず。古の天定まりて人に勝つとは是れなり」
第九章 心の独立と体の独立
友人を擲った少年時代の追懐
この問題は永く僕の心に蟠っているもので、今日もまだことごとく解決したとは断言しかねるが、近ごろことに感じたこともあるから、愚考を述べて世人の教えを乞いたい。