Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ほどう
舗道
宮本 百合子
Lisez 舗道 (ほどう) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 34 745 caractères · 70 écrans
ミサ子は何だかそこにそのまま立っていられない気持になって、洗面所へ行った。みどりが水道の栓をひねりっぱなしにして顔を洗っている。掌に掬った水で邪慳に自分の唇を洗って、ハンケチで拭いて、声に出して云った。
「チェッ! 畜生!」
ミサ子が入って行くと、直ぐ、
「よっぽど前に来た?」
と訊いた。
「……いないのかと思ったわ」
「ふむ」
みどりは、こわい、怒った眼つきのまま今は髪をときつけている。ミサ子には前後の事情が分るまいとしても分る。みどりは、凝っと鏡の面に目を据えて断髪を梳いていたが、急にミサ子の方を向いて、
「どう?」
と云った。
「私たちは、こういう目にも会うのよ」
そして、自嘲するように笑おうとしたがみどりの唇が震えて、見る見る目に涙が湧き出して来た。頬っぺたを涙の粒がころがり落ちた。それを荒々しく手の甲で拭いて、みどりは鼻の頭をコンパクトでたたき始めた。
わきに立って、その様子を見ているミサ子はみどりの気持が一々わかる。
「――出ちまいなさいよ!」
ミサ子は思わず親身な声を出して云った。
「出されちまうわ、どうせ。堂本の奴ったら……畜生! ひとを……旗日だってったら、証拠を見せろだって手なんぞ出しやがって……チェッ!」