Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

えんしょ

艶書

山本 周五郎

Lisez 艶書 (えんしょ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 25 027 caractères · 50 écrans

Aozora Bunko

と彼は呟やいた、「特徴のあるくずし方だし、さまという字はぴったりだ……しかしはっきり同じ筆跡だとはいえないな」

約半刻ばかり、彼は熱心に比べてみたのち、なにもいま定めることはないと思って、その手紙を片づけた。

夜七時という指定の時刻に、出三郎は新村家を訪ねた。新村家の人たちとも久しぶりなので、客間でしばらく話してから、七重にうながされて彼女の部屋へいった。雛段はまえの半分にも足りないほど小さく、雛の数も少なかった。七重は段の上の雪洞に灯をいれながら、「たいていな雛や道具は姪のたみにやってしまったのだ」と云った。

「たあちゃんというんでしょう」と出三郎が云った「いつか話をしたことがありますよ」

「そうでございますってね、あなたが上手に梟の鳴きまねをなすったって申しておりましたわ」

七重は健康そうにみえた。長患らいをしたあとのようでもなく、胸や腰のあたりは豊かにまるく、膚もつやつやとして血色がいい、顔つきなどは昔のままで、嫁にいった人とは思えないし、二十四という年よりは三つ四つも若くみえた。

「私は今日まで知らなかったのだが、笠井と不縁になったんだそうですね」