Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
裏の森で、フクロウがしきりに鳴いている。港の方で、汽船の汽笛が聞える。
副島がまだ飲み足らぬらしいので、豆八に、「飛鳥」に一緒に行って、二次会をするようにいいつけた。
「大将はお帰りになるとですか?」
「今日はくたぶれたから、あんたに、万事まかせる。新公によろしゅういうておくれ」
金五郎が歩きだすと、豆八は追いすがって来た。
「大将、お京さんに、なにか、言づけは?……」
金五郎はそれには答えず、すたすたと、その場を去った。
家に帰ると、女中のジュンが、一通の封書を持って来た。マン宛の書留郵便である。差出人を見ると、「福岡県遠賀郡戸畑町字牧山、石川二右衛門」――まるで心当りのない奇妙な名だ。
金五郎は、開封して見た。
「拝啓、イツゾヤ拝借ノ金、ヨウヤク都合ツキタルニツキ、返却仕候。長々ト有難ク、御礼申シ上候、泥棒ヨリ」
文面は簡単で、六円の小為替が同封してある。
金五郎は、笑いだした。あんまり笑いすぎて、涙が出た。
昨年の秋、彼が武蔵温泉に行った留守宅に、侵入して来たおかしな泥棒の話は、マンから聞かされていた。そのときも、笑いが止まらなかったが、今、その泥棒が金を送りかえして来たことを知って、金五郎は抱腹絶倒したのである。