Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
そして、耳のつけ根まで赤くなった。どっと、囃すような笑い声がおこった。
それから、何度か、勝負はつづけられた。
金五郎は、四五回目には、もう、呼吸をのみこんでしまって、張ったり張らなかったり、金額も、増したり減らしたりした。
時間の経つのが、わからなかった。
チン、チン、チン、チン……
急に、時計の音に気づいて、柱時計を見た。十一時である。びっくりして、立ちあがった。
「こら、いかん。親父が心配しとるけに、帰ろう」
「勝ち逃げかね?」
彫青男が寄って来て、笑いながら、いった。
「家が遠いけに、失礼します」
「そうかい。そんなら、また、おいで。一週間ほどは、毎晩、やっとる。兄ちゃんは、しこたま取りこんでるから、途中、気をつけてな」
「はい、お邪魔いたしました」
金五郎の胴巻はふくれあがり、妊娠腹のようになっている。そのうえに、助広の短刀をさした。
清七と二人、また、空馬車に乗って、帰った。散財はやめにした。
月明である。冬の夜空に、松山城が浮きあがり、なにかの花の香が、街道いちめんに流れている。
その年が、明けた。
松の内に、黒石家では、金五郎を養子に迎えるめでたい式が、一種、狂気じみた盛大さで、もよおされた。