Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lisez 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 410 131 caractères · 824 écrans
「なんぼ親孝行でも、法は法、可哀そうでも、罰金をかけにゃあなるまいなあ」
「お役人さん、もうしませんけ、どうぞ、堪忍して……」
「さあねえ」
思わせぶりに、役人は、じろりと、マンを見た。この、「鬼」という綽名をつけられている専売局の駐在員は、さっきから、マンの後から歩いてゆくうちに、下等な慾情をそそられた模様である。こりこりとひきしまった若い女の身体つき、腰や尻の弾力に富んだ動き、藁草履をはいた白い素足、ほつれ毛のたれかかっている小麦色の首すじ――この、眼前にある新鮮な熟れた果実を、とって食べたくなったものにちがいない。
「谷口の、罰金はいやかね?」
と、舌なめずりする口調で、マンの方に寄って来た。三角眼が淫らに光っている。
「はい、いやです」
「とりやめにしてあげようかね?」
「お願いします」
「じゃが、タダというわけにはいかんなあ。あんたもこれだけのことをしといて、タダですむとは、まさか思うて居らんだろう?」
「どうしたら、よろしゅう、がんひょうか?」
「そうじゃなあ、一番簡単なことですますとするかね。……な、それで、よかろ?」
マンも、男の考えていることが、やっとわかった。